BH科特隊レポー:トルコ(石)の不思議 

                                                                                  
                                                                               写真をクリックするとオリジナルを表示します
  


■サッカーW杯で日本を軽く一蹴したトルコに魅せられて、トルコを旅したNさん。Zippoで知ったトルコ石(ターコイズ)が、道ばたにころがっていないだろうけれど、店屋で売られていると思ってた。

■ところが、現地の土産屋には水色のガラス玉ばかりがあって、目ん玉の絵付きというシロモノ。肝心の「トルコ石」がどこにも売られていない。
ガラス玉はいらん、(トルコ石の)ストーンが欲しい!と何度言っても通じないままに、滞在期限が過ぎてしまったそうだ。

■一体、どーしてトルコにトルコ石がないんだ・・・?ちょうど、JTマイセン・ジッポーがその「トルコ石付き」ということもあり、我がバロックハウス(BH)科特隊、さっそくリサーチしたのでありました。(2002/Oct)

   

マイルドセブン・ジッポー FeeL the Blue・・・

JTのマイルドセブン・ジッポー応募キャンペーン(最終応募締切:2003年11月29日)は、Feel the Blue とかで、正面ボディにターコイズ(トルコ石)が付いている(右画像)。
封かん紙5枚応募で当たる(かもしれない)マイセンZippoはのコピーは;
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「一つひとつの色柄が微妙に異なる天然石のターコイズ。美しい光沢を放つシルバー仕上げのフォルムに、ターコイズとFeel the Blueのエッチングをアクセントにしたマイルドセブン・オリジナルデザイン。ひとときの休息を充実させてくれるジッポーである。」
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ターコイズっていうのは「トルコ石」の事だというのを初めて知った隊員もいれば、ターコイズ・カラーは
水色であってブルーではない!なんて、難癖つける隊員もいる。
なら、JTさんに文句言ってくれ。ついでに、feel the blue ってどっかの国じゃ「二日酔い」のことじゃなかたっけ・・・・。
ところで、リサーチのしょっぱなからBH科特隊は大変な事に気が付いた。
トルコは、スモーカー男と実にフカーいフカーい関係にあったのだ。

スモーカー男とトルコの深い関係

まず、なんてったってキャメル!
ヤワなマイルド系にはないが、キャメルのパッケージにはTurkish &
American Blendと表示されている。
もうかなり以前のUS版キャメルパッケージ柄Zippo(画像右)には、TURKISH&DOMESTIC BLEND。
 
まさか、ラクダがイスタンブールやアンカラの街をノコノコ歩いているわけじゃないし、純トルコ産の葉たばこを使っているわけじゃないけれど、黒海や地中海周辺のタバコの葉っぱ(オリエント種)のイメージが「トルコ」なんですね。
 
それから、メシャム(海泡石)パイプ!
これぞトルコ特産・特芸、トルコの宝!と言える「トルコの白い軽石」を加工装飾したパイプである。
惚れ惚れするメシャム・パイプの事は、後で紹介しましょう。
我々の課題は「トルコ石」であって、「トルコの軽石」じゃないのですから。

というのに何を勘違いしたかBH科特隊某(老)隊員、
「トルコ」といえば、我々の若い頃はトルコ風呂っていって、XXXXXXXXXXXXXX・・・・、
あれは一体、誰が一番最初に言いだしたんだろう?
02camel.jpg (14295 バイト)
ターキッシュ&
アメリカン・ブレンド
ターキッシュ&
ドメスティック・ブレンド
01tarky01.jpg (17427 バイト) 〔ZIPPO〕CAMEL レプリカZ33up
トルコの(メシャム)パイプ たばこ柄ZIPPO
じつはぁ、とBH科特隊某(若輩)隊員。僕はトルコ風呂に入ってきた!
だだっぴろいホールの真ん中に土俵の大きさの大理石があって、それが暖かい。
その上にじーと座って汗を出すだけ。他は何もない。
壁にそって水道の蛇口が並び、そこで汗を洗い流す。
マッサージは、プロレスラー風の大男が骨をバキバキやってくれる・・・。
イスタンブールでの話!だと。
  
あのね、大理石じゃないの。「トルコ石」について調べるのが
BH科特隊の指名、いや失礼(こっちまでオカシくなってきてしまった)、使命なんだよね。

ターコイズ・カラー(Tourquoise

しかし、まだまだ話は飛ぶ!
(まっ、しょうがないっスね、とんでイスタンブールですから。)
マンズキさん(=万年筆好きの略)によると、欧州系の万年筆用インクには何故か古くから「ターコイズ」というカラーがある。
ブラック、ローヤルブルーのインクなら分かるけど、このターコイズのインクを誰が何のために使うのか、ニーズのあること自体がナゾだ!という。
 
さらに、ターコイズ、ターコイズと私達は言っているけれど、インクボトルのラベルはtourquoiseと表示されていて、れっきとしたフランス語なのだ。
正しい発音は「トルクワーズ」。
これが、「トルコ石」、「トルコ石の色」(=カラー)の事だという。
どんな色かを手っ取り早く言えば、あの「ティファニー・ブルー」の水色。これがトルクワーズ(=トルコ石のブルー)なんだそうな。
参照・ボールペンのページ:
ティファニー
だったら、「トルコ」のナショナルカラーはターコイズと思いきや、なんともダサい赤の国旗です(写真右上)。
赤なんて、ベルギーも韓国も、リバプール、ローマも浦和も、なんだよね。これなら、アルゼンチンのナショナル・フラッグ(写真右上)の方がよほど「トルコ石カラー」に近いじゃないか。

とうとう南米にまで(話が)飛んでしまったついでに、W杯優勝国ブラジルも絡めよう。
「ブラジルで雨が降れば、(シアトルに本社のある)スターバックスの株が
上がる」って言わてるでしょ。
トルコ国旗 アルゼンチン
【ティファニー】ボールペン・ケース
あれは、世界最大のコーヒー豆産地国、ブラジルのコーヒー豆の出来不出来が、(タバコの嫌いなコーヒー屋の)スターバックスの商売を左右し、株価を左右するってことでしたよね。
そのコーヒー(豆と木)も、もとはトルコなんです。トルコから欧州に渡り、そして南米に渡ったものなんです。
正確には、コーヒーを飲んでたオスマントルコの軍隊がヨーロッパに攻め込んで行った時に持ち込み、欧州人に伝わった。その後、欧州人が南米にもって行き、栽培されるようになった(コーヒー豆の木の原産はアフリカ・エチオピアと言われ てます)。
 
はて、「豆の木」の話じゃなくて「石」を話してるんじゃなかったかって?
はいはい、実は「トルコ石」も同じパターンなんですね。

クロワッサン

これも、元はトルコのものでした。
トルコ国旗の三日月をみれば、納得できます。この形のバターパンですからね。
コーヒー豆と同じく、オーストリア経由でフランスに伝わったそうだけど、ドイツ語名は無視されて、フランス語名が準国際標準名になってます。


トルコ石(ターコイズ)

トルコ石を辞書で調べると;
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[トルコ石]の大辞林第二版からの検索結果
トルコ-いし 【―石】 
〔ペルシャ原産だがトルコを経て欧州へ入ったことによる名称〕青または青緑色の鉱物。
美しいものは宝石や飾り石にする。
12月の誕生石。トルコ玉。ターコイズ。
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【Zippo】トルコ石(両面)

やっぱり、ね。
ペルシャ(イラン)産の他、古くはシナイ半島でも産出されたで、ようするにトルコにトルコ石があるのではなく、ただ単にトルコを経由しただけ。それを欧州人は、トルコから来たので「トルコ石」と呼び、名称となったわけです。

てっきりネイティブ・アメリカン(インディアン)のものとばかり思ってた。トルコ石ていうのも彼らが名付け親と思ってた・・・、という方が多いかもしれません。
左のジッポーは、90年代後半に米国Zippo社が作ったモデル(PAINTED DESERT)のひとつです。
もう見ただけで分かります。品名は「インディアン・フェザー」(現在は製造終了品)。

特にナバホ、ズニ(部)族の彫銀細工でターコイズが用いられていますが、まさかイランのトルコ石を輸入してたなんて考えられません。彼らの住む北米の南西部地域で充分に採れたわけです。
実際、現在もニューメキシコ州、ネバダ州、アリゾナ州など、北米アメリカはトルコ石の大産出国です。
  
右のジッポーはもっとストレートな品名で、ズニ(=部族名)です。
素朴なカットの台座にターコイズをドカンとくっつけた作風がズニの彫銀の特長ですが、これを、上のマイルドセブンZippoと見比べて下さい。
米国Zippo社のインディアン・ジュエリーのモチーフZippoから、完璧なまでに「インディアン」臭さを取り除いてしまったターコイズ・ジュエリーZippoに変化(身)していることがよーく分かります。

ちなみに、インディアン・ジュエリーの技法は、欧州(スペイン人)の彫金(銀)技術がメキシコに、そしてメキシコ人からナバホ族に伝えられて各ネイティブ・アメリカンに広まったのだそうです。
 
というわけで、「トルコ石」はただ名称がそうなだけで、国名の「トルコ」とは関係がないと言えます。
日本での「トルコ風呂」の名称や、モーツアルトの「トルコ行進曲」と同じ様なものなのかもしれません。
Zippoに用いられているトルコ石はそんな「宝石」級のものじゃないはずですが、元祖的なペルシャ(イラン)の北東部産が最上級とされています。
トルコ石は地域により色や模様(編み目状)に特長があるらしく、大きさ、色の鮮やかさ模様などで価格が等級化され、取引されるようです。

Nicotiana tabacum

タバコ(葉)は、コロンブスの後続者が、アメリカ大陸から欧州に持ち帰り、欧州で栽培されるようなったと言われています。
で、その「葉たばこ」の植物学術名はニコチアナ・タバクム(ラテン語)ですが、語源は笑ってしまうほど単純です
「1560年に「葉たばこ」をポルトガルからフランスに持ってきた人物、
Jean Nicot の名前を冠して1570年Nicotiana tabacumと名付けられた。」
彼は外交官(大使?)だったようです。
ひょっとして、ニコレットもこの人物名が語源かも。


トルコ(の軽)石、メシャム・パイプ

トルコに無いのに勝手にトルコ石、トルコ風呂、トルコ行進曲だと、ま、結構テキトーに呼ばれてきたわけですが、そんな中で、これは、絶対的にトルコ産、トルコ工芸というのが、「トルコの軽石」、メシャムのパイプです。
彼らが「メシャム」と発音すると、アラブ語じゃなくてペルシャ語から由来したトルコ語かな?って感じです。
ところがパイプ・ケースのプリント文字をみると、なんと、もろドイツ語です。

しかも、ふざけた名称(Meerschaum)で、直訳すると「海の泡」。正確な発音はメーア・シャウムで、幼稚園児が口にするレベルの単語です(うみのシャボンだま みたいな・・・)。
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トルコにあったものがフランス語になったり、トルコにないものが「トルコ」石やら風呂と呼ばれたりするだけでももう充分なのに、トルコ・オリジナルともいうべき(軽)石がドイツ語だとは・・・。
BH科特隊今回のリサーチ最終結論は、「トルコの不思議」になってしまいました。
  
「海の泡」では焼酎の銘柄と間違われそうなためか、日本語名は「海泡石」(カイホウセキ)。
幼児語をアカデミック用語に意訳した命名者には頭が下がりますが、しかし、パイプを知らなければ、全く得体のしれない石の名です。
トルコのメシャム・パイプを輸入している、日本のパイプメーカー柘製作所さんのカタログには右の解説がされています。
 メシャムの軽くて柔らかい特長を生かしたパイプは、装飾加工度によってピンキリです。
 
実用的なモノは50−100ドル程度ですが、立派なほぼゲージュツ的置物風パイプになると10倍、100倍します。
多分、国宝級職人さんも多くいるのだと思います。
  
◇たばこと塩の博物館コレクションギャラリーで紹介されています。
http://www.jti.co.jp/Culture/museum/gallery/gaikoku/gaikoku_7_05.html

メシャム

メシャムのパイプ界へのデビューは、ブライヤーの発見より約100年前の1720年に始まります。
MEERSCHAUMとは、ドイツ語の「海の泡」という意味で、日本では海泡石と呼ばれています。しかし海で採れるものでなく、地表3mから75m位の間にあり、マグネシウムの仲間です。
どうしてメシャムが出来たのか未だ解明されていませんが、有史前の貝類が堆積し、数百万年かかってメシャムになったと言われています。


   
メシャム・パイプ格闘記
かなり昔にイスタンブールでメシャム・パイプを買ったYさん。
買う気にさせた店主の言葉は、
「使って時が経てば、この白い石が(ニコチンに染まって)綺麗なアメ色になる」だった。
「真新しい白なんてカッコ悪い、よし、全部をアメ色にしよう!」
と、死にものぐるいで半年間パイプをふかした結果が、右の画像のレベル状態。
これじゃあ百年ふかしても無理と悟り、いや実際には飽きてしまい、やめてしまった。
相手は何百万年かかって出来た石。
人間の一生位ではとうていかなわないのだそうである。(記:2002.10.17)

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